【旅からはじまる市町を超えた友情プロジェクト】

えな認知症みらいプロジェクト 事務局長  足立哲也

2022.04.13

私のプロフィール

平成26年から始めた「えなRUN伴」の創設メンバーのひとりです。はじめたころから8年が経ち、これだけ多くの仲間たちとのつながりができ、認知症がある人たちの声をもとに活動する基盤が出来上がりました。これからもっともっと、何ができるかみんなで考えてアクションに結び付けていきたいです。

私のアクション

 私は、2012年(平成24年)に認知症地域支援推進員として、市で行う認知症支援施策を企画・推進する立場として活動することになりました。

 この時には、すでに市で医療や福祉の専門職が集まって会議を開いており、連携することでできることを検討していました。

 精神保健福祉士・社会福祉士として自分でなければ企画できないことを考える中、連携を重ねる中で企画したものが、平成25年に立ち上げた認知症カフェ「ささゆりカフェ」。

 この「ささゆりカフェ」は、岐阜県内で自治体が開催する初めての認知症カフェであり、全国的にも珍しい企画であったのは、民間企業と共に協働・企画して開催すること。併せて市内外の医療・福祉関係の専門職がスタッフとして参加することでした。

 民間企業が培っているホスピタリティは、ささゆりカフェに来られる方々にとって居心地のよい場所となり、テーブルにつくスタッフは医療・福祉に長年経験を重ねている専門職であることから、はじめて来られる方、いつも来られる方にとっても安心感を得ていただくことに成功しました。

 カフェを進めていく中で、協力を申し出てくださった高速道路の管理会社のマネージャーから、こんな話がありました。「高齢や認知症に伴って、旅行に行きたくても行けないという方も多いと思う。サービスエリアで行うカフェに来ていただくことで旅行気分を得てほしい」。

この「旅行」というキーワード、ちょうど仲間たちとすすめていた企画とマッチしていましたので本当にびっくりしました。

認知症地域支援推進員として活動する中で、私は全国のたくさんの同じ立場の方々と出会い、お互いの価値観を分かち合い、相談しあえる関係を築くことができました。

そうして、2018年(平成30年)の12月に、全国の4市1町のメンバーが大分県由布市への旅を通じて新しい出会いと新しい一歩を目指してプロジェクトを実施しました。

 旅をするにあたって、この企画は参加メンバーが旅行行程を与えられてでかけるのではなく、自分のやりたいこと、交通手段を調べてチケットを購入にでかける、また、もてなす側としてどんなプランがあるのか自ら調べて望んでくださいました。

帰り際には「また会おう!」「どこでも行くから!」と別れを惜しんで再会を誓いました。

これからの継続と全国への広がりを踏まえて企画していきましたが、残念ながら現在の新型コロナウイルスの状況から進展が止まっています。

 でも、この旅プロジェクトは、「認知症だから」という勝手なイメージを覆すとても大きな一歩になっていると思います。

少しずつですが一歩一歩を歩みながら私たちは仲間と共にやりたいことを実現していきたいと考えています。

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